災害時、スマホやネットが使えなくなる可能性は十分にあります。
大切なのは、「つながらなくても再会できる準備」をしておくことです。
ここでは、連絡手段・避難先の共有・行動ルールなどを、家族構成や行動範囲に応じてまとめました。
災害用伝言ダイヤル(171)を活用しよう

NTTが提供しているサービスの災害用伝言ダイヤルを知っていますか?
知っていても、実際に使ったことがある人は少ないかもしれません。とっさのときに使えるよう、平時のうちに慣れておくことが大切です。との連絡手段の1つに加えてほしい有益なツールです。
災害時でなく、平時でも利用できるのでぜひ試してみてください。体験日や使い方を簡単にご紹介します。
体験利用できる日(※2025年5月時点)
- 毎月1日・15日(00:00〜24:00)
- 正月三が日(1月1日〜1月3日)
- 防災週間(8月30日9:00〜9月5日17:00)
- 防災とボランティア週間(1月15日9:00〜1月21日17:00)
👉 詳細と確認してみる:NTT東日本 災害用伝言ダイヤル
ダイヤルの使い方(簡易説明)
録音する場合(自分の情報を伝える)
- 「171」にダイヤル
- 「1」を押す
- 自宅の電話番号を入力
- メッセージを録音(最大30秒)
再生する場合(相手の情報を聞く)
- 「171」にダイヤル
- 「2」を押す
- 相手の電話番号を入力
- メッセージを再生
📌 録音は30秒以内、1番号あたり最大20件の蓄積が可能。
録音の例文(目安30秒)
30秒の録音が可能ですが、どのくらいメッセージを吹き込めるのでしょう。メッセージが途中で切れると、かえって不安をあおることもあります。までに、このくらいならゆっくり話しても30秒以内の伝言メッセージを考えてみました。
「私、〇〇です。職場で被災して今待機中。電車も止まっているみたいです。1時間くらい様子を見て、帰宅できそうなら歩いて帰る予定。怪我はなく元気です。自宅に向かいます。変更があればまたメッセージを残します。みんなの状況も教えてください。」
パニック状態では冷静に伝えられないこともあるため、あらかじめメモを作っておくのもおすすめです。
家族で体験してみよう
「毎月1日に体験してみよう」と決めると習慣化しやすくなります。
もし難しければ、お正月に家族が集まった際など、年に1回でも試す機会を作ることが大切です。

平時に取り入れてしまうことで、災害時に慌てないで対応できる力を育てよう!体験だけでも、やってみよう。
子どもとの連絡手段|年齢と行動範囲に合わせて


災害はいつどこで遭遇するかわかりません。
家族で一緒に過ごしているとき?学校にいるとき?
子どもが小さいうちは一緒に行動することが多いですが、成長とともに1人で行動する範囲が広がっていきます。各段階に応じて、保護者として何ができるか考えておきましょう。
年齢別の対応ポイント
小学生未満
- 基本的に親と一緒に行動するため、自宅での話し合いで十分。
- 絵本やぬいぐるみを使って話すと伝わりやすい。
- 園での防災訓練などがあれば、その機会も利用しましょう。
小学生
- ひとりで行動することも増えてくる年齢。
- どこに行く?誰に助けを求める?など、一緒にルールを作って可視化しよう。
- 「我が家の連絡ルール表」や「避難マップ」をランドセルやわかりやすい場所に共有。
中学生
- 放課後の部活や塾など、行動範囲が広がる。
- 曜日ごとの行動パターンを想定してルール化すると◎。
- 反抗期とも重なるので、親子の対話が難しい場合もあり。
高校生・大学生
- 判断力はあるが、まだ未熟な部分もあり。
- 防犯意識も含めて、「自分を守る力」を身につけさせよう。



災害時での一人行動を想定した話し合いは、小学生以上には必須。我が家も各自に合わせて、アレンジして伝えているよ。
電車通学の場合の備え
- 自宅から学校まで徒歩で帰れるかどうか、実際に親子で歩いて確認しておこう。
- 通学路線にある私立学校など、一時保護の候補先をリストアップし、
その情報を紙に書いて定期入れに入れておくと安心。 - 学校独自の災害時の連絡方法や親子の受け渡し方法なども設定されている事が多いので、要確認。



我が家では、連絡手段として子どもにもスマホを持たせているよ。電話も使用できるようにしておくこともおすすめ。
避難場所を確認しておこう


マンション防災では自宅避難が基本だと伝えています。お住まいのマンションが安全であることが前提なので、避難することになった場合も想定しておきましょう。
- 地域の指定避難所(多くは公立小・中学校)まで、実際に歩いてみることが重要。
- 子どもと一緒に避難所まで歩き、道順・所要時間・危険箇所を把握。
- マンションの場合は、ロビーや管理人室を一次集合場所にしておくのも有効です。
通信不能時のルールを作っておく


事前に「最終行動ルール」を家族で共有しておきましょう。スマホがあれば、いつでも連絡が取れるのは平時のこと。災害時には何があるかわかりません。スマホの通信ができないときも考えて、家族と共有しておきましょう。
▼例:最終行動ルールテンプレート
「〇〇時点で連絡が取れなければ、○○小学校の正門で17時まで待つ。その後は××宅へ向かう」
紙に書き出し、各自に持たせておくのもおすすめです。避難所では伝言メモなどを掲示できる場合もあるようなので、いろいろなケースがあることをお互いに知っておくといいです。情報過多になると混乱もするので、2パターンくらいを決めておくのがいいでしょう。
遠方への避難を想定しておく


自宅避難以外の避難方法も選択肢として用意しておきましょう。遠方に移動して、避難できる場合はどのくらいの費用がかかるのかは概算して置く必要があります。
車移動は原則想定しない
災害時は道路の混雑・損壊のリスクが高く、公共交通機関の利用を前提とするべきです。
ただし、それも停止している場合は「移動自体が困難」と想定して行動を考えます。
ビジネスホテル宿泊の実例(体験談)
- 大人2人で1泊8,000円 → 7泊で約56,000円
- 家族5人だと11万円以上になる
- 滞在期間が伸びる場合はウィークリーマンションのほうが割安になる
🚄 移動費の目安
- 東京〜福岡:新幹線片道 22,220円/人
- 家族全員+現地での移動費=10万円を超える
- 帰りを考えると移動費用だけでも20万円ほど
📋 移動前に確認しておくこと
- SuicaやPASMOの残高確認 → 残高確認アプリなどでその場で確認もできるのでおすすめ
- モバイルバッテリーの充電残量
- 運転免許証・保険証などの書類保管場所
💴 現金の備えも必要
- キャッシュレスが使えない可能性あり
- 生活費1か月分(20〜30万円程度)を目安に用意



交通費・宿泊費だけで30万円以上かかるケースも。食費や雑費を含めると、相当な出費になるため事前の想定が重要。手元に現金を用意しておくメリット・デメリットもあるので金額は各家庭でよく考えよう。
高齢家族との連絡・合流方法も確認


高齢者の家族との連絡方法もご家族と相談しておきましょう。同居の場合、そうでない場合とケースバイケースで考えます。
高齢者の備えは進みにくい
高齢者世帯は「なんとかなる」と備えが進まないことが多く、日常からのサポートが大切です。同居の場合は、一緒に備えてサポートができますが、別居の場合が少し工夫が必要です。
別居の場合:
飲料水、備蓄食品、排泄管理などの最低限があるように一緒に揃えてあげることがおすすめです。防災リュックなどプレゼントしてあげて、自宅に置くだけでも、備えとしての一歩は成功です。
紙の「連絡カード」を作成
家族LINEに頼らず、紙ベースの情報を用意しましょう:
- 氏名・生年月日・住所・電話番号
- 持病・服薬情報(お薬手帳のコピーも可)
- かかりつけ医・薬局名・家族の連絡先
- 血液型・アレルギー
各自が常に携帯しておくようにすると、緊急時に役立ちます。
まとめ|“つながらない前提”の備えを


スマホが繋がらない。連絡が取れない。居場所がわからない。。。と、ないないだらけの話をしてきました。最悪をシミュレーションしておくことが、防災の第一歩。これがPOPPO流の備え方です。
- 災害時は、スマホ・ネットが使えないことを前提に。
- 家族で定期的に話し合い、行動ルールを可視化しておく。
- 年齢・通学方法・居住形態に応じて、適切な備えを柔軟に。
- 体験・練習・見直しが、“いざ”のときの大きな力に。



家族と“もしも”を話し合うだけで、防災力はぐんとUPするよ!



また今度、ではなく、今日話そう!たくさん決めるのが大変な場合は、一歩一歩進めていくだけでも前進するよ。