高齢の親と暮らしていると、防災のことが気になりますよね。
でも「もう年だから」「どうせ助からない」と言われて、準備が進まないことも…。
実は、高齢者ほど災害に弱く、在宅避難の工夫が欠かせません。
この記事では、
- 高齢者が災害に弱い理由
- 在宅避難で準備しておきたいこと
- マンション高層階ならではの注意点
をまとめました。
小さな工夫でも安心感は大きく変わります。家族でできることから始めましょう。
高齢者が災害に弱いのはなぜ?
高齢者は、体力や判断力が落ちていくことで、避難や備えが難しくなりがちです。
さらに「自分は大丈夫」と思って備えを後回しにしてしまうケースも多く、災害時にはリスクが大きくなります。
加齢とともに体力や判断力が低下し、避難行動や備蓄の準備といった“いざという時”に必要な行動をとるのが難しくなってきます。
また、若い世代に比べて、災害の情報に触れる機会が少なく、現実的なリスクを想像したり備えを行ったりする気力が湧きにくいこともあります。

親に“防災グッズを見直そう”といっても、“もういいよ、どうせ…”って返されることもあるんだよね。



それも“高齢者ならではの心理”だよ。“面倒だな”って気持ちの奥には、“不安”や“無力感”が隠れていることもあるからね
自分は大丈夫という過信
「うちは大丈夫」「今まで大きな災害なんてなかった」という過去の経験。
マンション住まいの高齢者は自宅避難が基本になります。
今までは大丈夫でも、これからは分かりません。
いざという時のためを考えて、備えておくべきです。
まずは自宅の中の安全確保から始めましょう!
自宅で安全に過ごすための工夫:
- 家具の転倒防止(L字金具やストッパー)
- 滑り止めマットや手すりの設置
- 非常用照明や懐中電灯の設置
- 移動補助具(杖・歩行器など)の備え



“自宅が避難所”になるからこそ、安全な空間づくりがいちばん大事なんだよ
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体調を守るために必要な備え
高齢者は持病や体調不良を抱えやすいため、薬・トイレ・食事の準備が特に重要です。
日常から少し多めに用意しておくだけで、非常時の安心感が大きく変わります。
命を守るポイント:
- 常用薬を7~10日分ストック
- 紙のお薬手帳をわかりやすい場所に保管
- 大人用おむつ・尿とりパッドの備蓄
- 水分制限をしないようにする
- 加熱不要のやわらかい非常食・経口補水液も備蓄
高齢者ならではのポイントが多いのもこの項目の特徴。
食事・排泄・体調管理をすることで自宅避難がしっかりと機能するので、まずは認識を高めることから進めてみよう!
情報が届きにくい高齢者への工夫
停電になるとテレビや新聞が使えず、一気に情報が入らなくなる高齢者も少なくありません。
普段から使い慣れたシンプルな防災グッズや、紙の連絡先リストが役立ちます。
情報・連絡の備え:
- 携帯ラジオ・手回しラジオの用意
- 防災用品は操作が簡単なものを選ぶ
- 紙の連絡先リストを用意
- 家族で連絡方法を事前に共有



“いつもと違う行動”は特に高齢者は苦手意識が強いよ。普段から使える防災用品を活用するのもおすすめだよ。
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マンション高層階での避難の課題
マンションの高層階に住んでいると、停電時にエレベーターが止まるのが最大の問題です。
高齢者にとって階段の上り下りは過酷
夜間や停電中は危険が倍増
一度避難したら、復旧まで戻れない前提で準備を



いったんマンションを出たら戻れないなんて、大変だ。



住んでいる階にもよるけれど、自宅に階段で戻るのは高齢者にはとくに過酷だね。だからこそ、自宅にしっかり備えておくことが重要だよ。
「避難行動要支援者制度」を知っておこう!
高齢者が単独で避難できない場合は、自治体に「避難行動要支援者」として登録しておくことで、いざというときに支援を受けやすくなります。
この制度は「災害対策基本法」に基づくもので、
平成25年の法改正により「要配慮者支援制度」として全国の自治体に導入が進められました。
国のガイドラインでは、避難行動要支援者を
「高齢者・障害者・難病患者・妊産婦など、災害時に自力で避難することが困難な人」と定義しています。
自治体によっては、支援内容(避難誘導・見守りなど)が異なるため、詳細はお住まいの自治体の防災担当課へ問い合わせるのがおすすめです。
知っておきたいポイント:
自治体に家族が代理で申請できる
管理組合が住民情報を把握している場合もある
登録しておくと「いざという時に声をかけてもらえる」可能性が高まる
「そこまで大げさにしなくても…」と感じる方もいるかもしれません。
ですが、マンションによっては、管理組合や自治会の中で“要援助者リスト”を作成しているケースもあります。
たとえ同居であっても、在宅時に家族が不在のケースや、別居している親御さんを見守るケースでは、こうした仕組みを活用することで安心感が大きく変わってきます。
ご近所とのゆるいつながりが安心に
同じフロアや地域の住人と顔見知りになるだけで、いざというときに助け合いやすくなります。
無理な交流ではなく「挨拶程度」で十分。孤立を防ぐ小さな一歩です。
- マンション内・地域の防災訓練に参加
- ご近所との日頃のあいさつ・声かけ
- 管理組合に「高齢家族がいること」を伝えておく



“知っている顔”があるだけで、ほんとうに安心するよね。



防災はモノだけではなく、“人とのつながり”も大切だよ。
おわりに|小さな工夫で“大丈夫”を増やそう
高齢者の防災は、特別なことを一気にやる必要はありません。
家具を固定する・薬を多めに準備する・簡単な防災用品を揃える――そのひとつひとつが、安心につながります。
「もう年だから」「自分は助からない」ではなく、
“自宅を安全に整える”ことから始めてみましょう。
家族の声かけと少しの工夫が、高齢の親にとっても大きな支えになります。