毎日当たり前に使っているトイレが、もしも突然使えなくなったらどうしますか?
災害時、食料や水と同じくらい困るのが「トイレ」です。
特にマンションでは断水や停電によって排水管が機能せず、深刻な状況になることもあります。
でも、大丈夫。
事前に正しい備えをすれば、トイレの不安は解消できます。
この記事では、マンションならではの非常用トイレの備え方や選び方、
快適に使う工夫まで詳しくご紹介します。
非常用トイレが必要な理由

災害時に最も困るのが「トイレ」問題。
普段何気なく使っているトイレも、停電や断水で突然使えなくなることがあります。
特にマンションでは、下水が流れない=完全に使用不可になる可能性も…!
理由1. 停電や断水でトイレが使えなくなるから
災害時、電気が止まるとトイレを流すことができなくなります。
マンションでは排水も電気を使用していることが多いので、下水管が使用できない場合もあります。

災害時の停電では、水も出なければ、排水もできなくなるよ。
事前に備えが必要だよ。
理由2. 衛生と健康を守るため
汚物が放置されると、感染症のリスクが高まります。
成人の場合、平均して1日に4~10回程度トイレに行くと言われています。
家族が5人いる場合、その回数は合計で20~50回にも上ることも…。
この数字を考えると、事前の準備が衛生と健康を守る上でいかに重要かが分かります。



トイレの我慢もよくないし、後処理もきちんとしないといけないよ。
理由3. 精神的な安心を得るため
災害時は、想像以上にストレスが溜まるもの。
プライバシーが確保できないトイレ環境(避難所のトイレや非常用のマンホールトイレなど)は、精神的な負担をさらに大きくします。
災害時のトイレ問題として、次のような問題があります。
- 男女共有の簡易トイレ
- 長蛇の列
- 匂いなどの衛生面などへの不安



簡易トイレがあると、心にもゆとりと安心感が生まれるね。
非常用トイレの準備と備蓄のポイント
非常用トイレの必要性が分かったところで、次は具体的な準備のポイントを見ていきましょう。
ここでは、種類と選び方、そして備蓄の量や保管場所について解説します。
非常用トイレの種類
非常用トイレにはいくつかの種類があります。
最も一般的なのは、自宅のトイレに設置して使う「凝固剤+袋式」です。
これなら、使用後に袋を封をして保管するだけで、衛生的に処理ができます。
また、トイレを使用した後に手を洗えないことが多いので、手指消毒剤も併せて準備しておくと良いでしょう。
▶非常用トイレの種類◀
- 凝固剤+排便袋タイプ(袋式):自宅のトイレに設置して使用する。
- 組み立て式トイレ(便器付き):自立するので安定性◎。ベランダなどで使用もできる。
- トイレ用テント付きタイプ:プライバシー確保◎。
- 携帯トイレ:携帯性◎。ドライブや外出時の緊急用に。
非常用トイレの選び方の基準
非常用トイレを選ぶポイント
✅【家族構成】
→ 小さなお子さんや高齢の方がいる家庭では、組み立て式や安定感のあるタイプが安心です。
✅【設置スペースの有無】
→ 狭い空間しかない場合は、折りたためる袋式がおすすめ。トイレ用テントは広いベランダなどがある家庭に向いています。
✅【保管スペース】
→ 長期保存のため、収納場所も考慮が必要。防臭袋や凝固剤タイプは省スペースで便利です。
✅【使用頻度の想定】
→ 1日数回使う場合は、丈夫で扱いやすいタイプを。逆に非常時の一時利用だけなら簡易な携帯トイレでも十分。
✅【予算】
→ 基本は袋式+凝固剤がコスパ◎。予算に余裕があれば、プライバシー重視のテント型も視野に入れて。



家庭ごとの状況に合わせて、無理なく使えるものを選ぶことが大切だよ。
備蓄量と保管方法
非常用トイレの備蓄量については、家族の人数や災害時の避難生活期間に応じて決めます。
例えば、家族5人が1日8回使用すると仮定した場合、1週間分で300回分、1ヶ月分だと1200回分の準備が必要です。
これを袋と凝固剤で準備することを考えると、かなりの量になりますので、保管場所の確保も重要です。
保管場所は分散するのがおすすめです。
保管場所の例
- トイレの戸棚
- トイレットペーパーのストックと一緒に
- 備蓄水と一緒に
- 各部屋に
- リビングに



1週間分の300回分と聞くと、置き場所に悩むけど。
コンパクトにまとまったタイプもあるよ。



災害時に必要になりそうな場所に置いておくといいんだね。
実際に必要な備蓄品


実際にどんな備蓄が必要かというと、以下のようなものが挙げられます:
- 簡易トイレセット(凝固剤付き)
- 消臭袋(ゴミ袋)
- 手指消毒剤
- レインコート(周囲に配慮するため、透けない色がおすすめ)
これらをセットにして、家族人数分の備えをしておくことをおすすめします。
トイレ付きタイプも組み立て式はコンパクトに収納も可能なので、収納の限られたマンション住まいにも備えやすいです。



簡易トイレセットは組み立てるタイプを選んでおけば、収納が楽だね。
災害時には、すぐに取り出せる場所に保管しておくのも重要だよ。



収納を工夫すれば、限られたスペースでもうまく準備できそうだね。
非常用トイレの実際の使用方法
準備した非常用トイレは、使い方がとても簡単。
いざという時に慌てないよう、事前に使い方を確認しておきましょう。


使用の手順
- 便座をあげて、ビニール袋を広げて便器にかぶせます。
- さらにもう1枚ビニール袋をかぶせて、凝固剤を入れます。
- 便座を下げて使用します。
- 使用後は凝固剤を入れたビニール袋を交換してセットし直します。
使用後は袋の口をしっかりと結んで、数回分をまとめてさらにゴミ袋にまとめて保管しておきます。
使用後は二重に重ねることで匂い漏れ防止になります。
災害時にはゴミ捨て場に持って行くことが困難となっています。
ゴミ回収が再開するまでは自宅で保管します。
家庭から出たゴミの一時保管場所も確保できるようにしておきましょう。
非常用トイレを快適に使うための工夫とアイテム紹介
非常用トイレの使い方が分がったところで、次は「いざという時に、より快適に使うための工夫」を見ていきましょう。実際に使って分かった便利なアイテムも合わせて紹介します。
どれも非常時に使える便利なアイテムですので、ぜひチェックしてみてください。
非常用トイレの種類で4種類ご紹介します。
凝固剤+排便袋タイプ
使いやすく、衛生的に処理できるので、災害時の必需品。備えるならまずはここから!


組み立て式トイレ(便器付き)
もう一つトイレ自体があるので安心感もアップ。トイレの素材も段ボールからプラスチックまで様々。


トイレ用テント付きタイプ
テント・トイレも備えた究極の非常用。収納場所に余裕があればぜひ備えたいところ。


携帯トイレ
家庭内での使用より、外出時用のお守りに。持ち歩き非常用セットにどうぞ。


誤って流さない工夫をしておこう


簡易トイレを使う際に、絶対に注意したいのが「使用後にうっかりトイレのレバーを触らないこと」です。
普段の癖でつい手が伸びてしまうことがあります。
災害時には下水が使えない可能性があるため、流してはいけません。
特に小さなお子さんがいる家庭では、無意識にレバーを触ってしまうこともあります。
そのため、レバー部分をガムテープで固定するなどして「使えない」状態にしておくことをおすすめします。
こうしたひと工夫が、慌てず安全に使うための大事なポイントになります。
ガムテープをレバーに貼って「×使用禁止」などのメモを添えておくと効果的だよ!
トイレットペーパーや消臭袋は多めに
簡易トイレを備える際には、「快適に使う工夫」もあらかじめ考えておくと安心です。
まず、トイレットペーパーは普段よりもかなり多めに備えておくことをおすすめします。
災害時には補充ができないうえに、衛生面への不安も高まります。
十分な量を備蓄しておくと気持ちの余裕にもつながります。
また、簡易トイレ自体も予備を準備しておくと安心です。
使用中に破損したり、必要数を見誤ることもあるため、余裕を持った備えが大切です。
レインコートで個室感を演出しよう


さらに、「個室感」を演出する工夫も大きなポイントです。
たとえば、大きめのレインコートやポンチョを使って体を囲うことで、周囲の視線を遮ることができます。
ベランダや屋外でトイレを使用する際には、このような目隠しがあるだけで心理的な安心感が大きく変わります。
まとめ:備えでトイレの不安は解消できる!
ここまで非常用トイレの備え方を見てきましたが、最後にもう一度、備えに必要なポイントをまとめておきましょう。
非常用トイレを用意する
- 凝固剤+袋式を基本に、テントタイプや組み立て式も検討しよう
備蓄量と保管場所を決めておく
- 家族の人数 × 日数で計算し、分散保管がおすすめ
使い方と注意点を家族で共有する
- 誤って流さない工夫や、子どもでも使える環境を整備



備えは、「未来の自分と家族を助ける準備」だよ。
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